3.「受け継がれるおもちゃ」


「かわいい」というものに全く興味のなかった私も、家族に小さな一員が加わってからは 「かわいい」ものの代表、おもちゃに興味が出てきたことは否めません。
特に 先日戻ったイギリスの義母の家で手渡された 彼女の母が子供時代に使っていたと話す いくつかのおもちゃは 私の心をしっかりと捕えました。色あせ、今や完璧には残っておらず、繕う必要のある古い木のおもちゃたちが それ。
しかし、プラスチックのおもちゃが何人もの子供たちの手を経た時に どんどんその魅力を失っていくのに反し、これら昔の木のおもちゃは とても丁寧に考え作られていて 年を経ても全く変わることなくおもちゃという機能を果たし、また時にはおもちゃの枠を超え、その美しい色あせ方同様 十分な魅力を発揮してくれることを語っていました。
木のおもちゃだけではありません。他の材質で作られた古いおもちゃも魅力的です。同じ頃、大家族のホリデーを過ごすコテージで見つけた 姪っ子や甥っ子が残していったとみられる ビンテージのおもちゃたち。
ブリキでできたミニティーセットは何気なく 小さな陶器のピッチャーとともに、本棚に置かれていました。そしてその側には 私のパートナーが子供時代に遊んだという『007』初代の特別仕様車の合金ミニカーも。彼は遠い昔を懐かしみ目を細めているというのに、それらは 今さっきまで使われていましたというカジュアルさで存在していました。そう、それらは豪華な飾り棚に置かれているのではなく、今でもしっかり使われているのです。
果たして現在、いくつのおもちゃが買われ 捨てられていっているのでしょう?特にプラスティックの新しいおもちゃたち、電池を必要とするこれらのものは おもちゃの機能を簡単になくし あっというまにゴミ箱に消える運命の様に思われます。
曾お婆ちゃんからのお下がりになる 輪っかがぎこちなく回る台車を床に転がし大喜びする息子を横に、世界をとりまく「消費文化」についても より考え始めた瞬間でした。
dromedaryDESIGN 中地明子
|